費用の内訳

台湾の特許・商標 官庁費用費用の内訳と、見積りを左右する要素

台湾で特許または商標を出願する際の費用は、性質の異なる二つの部分から成ります。一つは台湾智慧財産局(TIPO)が公告する官庁費用で、金額は固定、出願人を問わず同一であり、事前に表で確認できます。もう一つは現地代理人の手数料で、各事務所が独自に定め、案件ごとに見積られます。特許(発明)の出願料は 3,500 台湾ドル(電子出願 2,900 台湾ドル)、実体審査請求は 7,000 台湾ドルから。商標は区分単位で課金され、出願 3,000 台湾ドル、登録 2,500 台湾ドル(いずれも 1 区分あたり)です。

このページの対象

  • 台湾の知財予算を策定中で、費用の内訳を把握したい企業
  • 自社クライアントに台湾側コストを説明する日本の特許事務所・法律事務所
  • 出願範囲を決める前に費用の規模感を掴みたい外国出願人
  • 社内または関係先に費用の根拠を示す必要がある知財担当者

要点

  • 官庁費用は当局が定める固定額で全出願人に同一。現地代理人費用は各事務所が定め案件ごとに見積る。この二つは必ず分けて見る必要があります。
  • 特許は件単位ですが、請求項が 10 項を超える場合・明細書が 50 頁を超える場合に追加の官庁費用が発生します。商標は区分単位のため、指定区分が増えるごとに官庁費用が倍増します。
  • 電子出願により特許の出願料は 1 件につき 600 台湾ドル減額。発明の名称・出願人・発明者・要約の英文を添付した特許出願には、さらに 800 台湾ドルの減額があります。
  • 年金の減免は第 1 年から第 6 年までに限られ、資格を満たす個人・学校・中小企業のみが対象。外国の学校および中小企業は書面による申請が必要で、自動適用されません。
  • 費用は一括払いではありません。出願時、実体審査請求時、登録時、そしてその後毎年の年金と、少なくとも四つの時点に分かれます。

台湾案件の費用はどの項目で構成されるか

特許・商標を問わず、1 件の案件の総額は通常、以下の項目で構成されます。このうち固定かつ公開されているのは官庁費用のみで、他は案件と事務所により異なります。

  • 官庁費用:智慧財産局が法令に基づき公告する料金。出願料、実体審査請求料、証書料、年金、商標の登録料・更新料などを含みます。全出願人に同一で、本ページに全表を掲載しています。
  • 現地代理人費用:台湾の専利師または商標代理人に委任して手続を行う対価。各事務所が独自に定め、明細書作成・応答・補正などは案件種別または実作業時間に基づき算定されるのが一般的で、案件ごとの見積りとなります。
  • 翻訳費用:外国語明細書や優先権証明書を繁体字中国語に翻訳する費用。通常は文字数単位。台湾出願は中国語で行う必要があり、かつ中国語のテキストが権利範囲を画定するため、特許案件では省略できない項目です。
  • 立替費用:郵送料、通信費、公証・認証、交通費などの実費。

特許(発明)の官庁費用

単位:台湾ドル。智慧財産局が公告する料金表によります。当局が改定した場合は出願時点の規定によります。
項目官庁費用
特許出願(書面)3,500
特許出願(電子出願)2,900
実体審査請求(請求項 10 項・50 頁以内)7,000
実体審査:10 項を超える 1 請求項につき800
実体審査:明細書等が 50 頁を超える 50 頁ごとに500
早期審査(AEP)の請求0 または 4,000(事由による)
早期公開の請求1,000
再審査の請求(請求項 10 項・50 頁以内)7,000
無効審判:基本料(請求項単位)5,000
無効審判:対象とする 1 請求項につき800
特許証書料(第 1 年年金と併せて納付)1,000

実用新案の官庁費用

実用新案は方式審査のみで実体審査を経ないため、実体審査請求料はありません。ただし権利行使の前には技術評価書の請求が通常必要で、その費用も請求項数に応じて算定されます。

単位:台湾ドル。
項目官庁費用
実用新案登録出願(書面)3,000
実用新案登録出願(電子出願)2,400
技術評価書の請求(請求項 10 項以内)5,000
技術評価書:10 項を超える 1 請求項につき600
無効審判:基本料(請求項単位)5,000
無効審判:対象とする 1 請求項につき800
証書料(第 1 年年金と併せて納付)1,000

意匠の官庁費用

単位:台湾ドル。
項目官庁費用
意匠登録出願(書面)3,000
意匠登録出願(電子出願)2,400
再審査の請求3,500
無効審判(請求人側の代理)8,000
証書料(第 1 年年金と併せて納付)1,000

年金(三つの権利の比較)

年金は登録公告後から起算し毎年納付、年次が進むほど増額します。特許は第 10 年以降が年 16,000 台湾ドルとなり、長期保有コストの主要因です。出願段階のみを見た予算は、この部分を大きく過小評価します。

単位:台湾ドル(標準年金。減免適用前)。
年次特許実用新案意匠
第 1〜3 年(各年)2,5002,500800
第 4〜6 年(各年)5,0004,0002,000
第 7〜9 年(各年)8,0008,000(第 7〜10 年)3,000(第 7 年以降)
第 10 年以降(各年)16,000

商標の官庁費用

特許との最大の違いは課金単位です。商標は区分単位で課金されるため、1 つの商標で 3 区分を指定すれば出願料・登録料は 3 倍になります。また第 1 類から第 34 類は 1 区分あたり商品 20 個までで、超過分は 1 項目ごとに加算されます。

単位:台湾ドル。
項目官庁費用
出願:第 1〜34 類(1 区分あたり商品 20 個以内)1 区分 3,000
出願:第 35〜45 類(役務)1 区分 3,000
第 1〜34 類、商品 1 項目追加ごとに1 項目 200
第 35 類、特定小売役務 1 項目追加ごとに1 項目 500
早期審査の請求1 区分 6,000
登録料1 区分 2,500
更新登録料1 区分 4,000
異議申立(異議申立人側の代理)1 区分 4,000
無効審判(請求人側の代理)1 区分 7,000
取消審判(請求人側の代理)1 区分 7,000

その他の手続と行政救済の官庁費用

単位:台湾ドル。
項目官庁費用
優先権主張の回復請求(特許)2,000
名称・住所の変更登録(特許/商標)300/500
係属中案件の移転登録2,000
登録済権利の移転登録(特許/商標)2,000
ライセンス登録(特許/商標)2,000
商標の分割出願1 件追加ごとに 2,000
特許の分割出願特許 3,500/実用新案・意匠 3,000
明細書・請求の範囲・図面の訂正/誤訳訂正2,000
存続期間の延長(医薬品・農薬)9,000
面接審査の請求1 件 1 回につき 1,000
行政訴訟 第一審裁判費(知的財産及び商業裁判所)4,000
最高行政裁判所への上訴裁判費6,000

電子出願の減額と年金の減免

  • 特許の電子出願:1 件につき 600 台湾ドル減額(特許 2,900、実用新案・意匠 2,400)。
  • 特許の英文添付による減額:発明の名称・出願人・発明者・要約の英文を添付した場合、さらに 800 台湾ドル減額。
  • 商標の電子出願:1 件につき 300 台湾ドル減額。指定商品・役務の名称が智慧財産局の参考名称と同一の場合、1 区分あたりさらに 300 台湾ドル減額。
  • 年金減免の対象:資格を満たす個人・学校・中小企業に限り、かつ第 1 年から第 6 年まで——第 1〜3 年は各年 800 台湾ドル、第 4〜6 年は各年 1,200 台湾ドルの減額。
  • 減免の手続は区々:個人および台湾の学校は智慧財産局が職権で減額しますが、外国の学校および中小企業は書面による申請が必要で、自動的には適用されません。

総額を左右する要素

官庁費用は表で確認できますが、総額の変動は主に以下の要素から生じます。見積り依頼の際にこれらの情報を添えていただくと、やり取りの回数を大きく減らせます。

  • 請求項数:実体審査は 10 項を基準とし、超過分は 1 請求項につき官庁費用 800 台湾ドル(実用新案の技術評価書は 600 台湾ドル)。請求項数は代理人費用の主要な算定要素でもあります。
  • 明細書の頁数:50 頁を超える 50 頁ごとに官庁費用 500 台湾ドル。頁数は翻訳量も決定します。
  • 翻訳の文字数:外国語案件では、代理人費用に次ぐ大きな単項目となるのが通常です。
  • 商標の区分数と商品項目数:官庁費用は区分ごとに倍増し、第 1〜34 類は 1 区分 20 個を超える商品が個別加算。指定範囲の判断が予算規模を直接決めます。
  • 拒絶理由通知への応答回数:応答と補正は実作業時間に基づく算定が通常で、回数は出願前には確定できません。
  • 早期審査を請求するか:特許の早期審査(AEP)の官庁費用は事由により 0 または 4,000 台湾ドル、商標の早期審査は 1 区分 6,000 台湾ドル。
  • 優先権を主張するか:パリ条約優先権の主張自体に官庁費用はかかりませんが、優先権証明書の取得と翻訳に費用が生じ得ます。
  • 出願人の属性:年金減免の資格を満たすか否かが、第 1〜6 年の保有コストに影響します。

各費用が発生する時点

台湾の知財費用は一括ではなく、複数の時点に分散します。特許の例:

  • 出願時:出願料、代理人費用、翻訳費用。
  • 実体審査請求時:実体審査請求料(出願日から 3 年以内に請求可能で、出願と同時である必要はありません)。
  • 拒絶理由通知の受領時:応答・補正の代理人費用。回数に応じて累積します。
  • 登録時:特許証書料と第 1 年年金を併せて納付。
  • その後毎年:年金を毎年納付。年次とともに増額し、未納は権利の存続に影響します。

予算策定で見落とされやすい項目

  • 年金の累計額:出願段階の費用のみを見積り、特許の第 10 年以降が年 16,000 台湾ドルである点を見落とすのが、長期コスト過小評価の最も多い原因です。
  • 実体審査請求料は別建て:特許では出願と実体審査請求が別の手続・別の費用であり、審査請求は出願日から 3 年以内に行えます。
  • 商標の区分数:「1 商標 1 価格」と考えてしまうケース。官庁費用は区分単位で課金され、指定区分数がそのまま予算を倍増させます。
  • 超過請求項・超過頁の加算:概算段階で飛ばされがちです。
  • 期間延長と面接審査:応答期間の延長請求、面接審査の請求にはそれぞれ官庁費用がかかります。単発では少額ですが、審査過程で複数回発生し得ます。
  • 年金減免は自動適用されない:外国の学校および中小企業は書面申請が必要で、申請しなければ標準年金が適用されます。

WISECODE がお手伝いできること

本ページの官庁費用は誰でも確認できる公開情報です。代理人費用は技術分野、請求項数、明細書の分量、翻訳量により相当の幅があるため、個別案件を検討したうえでお見積りいたします。

  • 技術内容と展開範囲に応じ、適切な権利種別(特許・実用新案・意匠)と商標の指定区分を検討し、まず予算規模の枠を固めます。
  • 個別案件について、官庁費用と代理人費用を含む完全な見積りを提示し、どの項目が固定でどの項目が審査の進行により変動するかを明示します。
  • 年金減免の該当可否、および外国の学校・中小企業に必要な書面申請の手続を検討します。
  • 日本語または英語で海外出願人・提携事務所と直接やり取りします。費用構成の説明と請求書類も同様です。

出典

よくあるご質問

台湾の特許出願の費用はどのような内訳になりますか。

四つに分かれます。(1)智慧財産局の官庁費用(固定・公開)、(2)現地代理人費用(各事務所が設定)、(3)繁体字中国語への翻訳費用(通常は文字数単位)、(4)郵送料・公証認証などの立替費用。このうち事前に表で確定できるのは官庁費用のみです。

官庁費用と現地代理人費用はどう違いますか。

官庁費用は台湾智慧財産局が法令に基づき公告する料金で、全出願人に同一、どの事務所に委任しても変わらず、事務所の報酬には含まれません。現地代理人費用は台湾の専利師・商標代理人に委任して手続を行う対価で、各事務所が独自に定め、通常は案件種別または実作業時間に基づき算定されます。

台湾の特許出願で現地代理人に支払う費用の相場はいくらですか。

代理人費用は各事務所が独自に定めるため、単一の相場を示すことはできません。確定できるのは官庁費用の側で、出願 3,500 台湾ドル(電子出願 2,900 台湾ドル)、実体審査請求は請求項 10 項・50 頁以内で 7,000 台湾ドルです。代理人費用は請求項数、明細書の分量、翻訳量、拒絶理由通知への応答回数により幅があるため、案件情報をご提示いただいたうえでお見積りする形になります。

請求項の数は費用に影響しますか。

影響します。特許の実体審査は請求項 10 項・明細書 50 頁を基準とし、10 項を超える 1 請求項につき官庁費用 800 台湾ドル、50 頁を超える 50 頁ごとに 500 台湾ドルが加算されます。実用新案の技術評価書は 10 項超過分が 1 項につき 600 台湾ドルです。請求項数は代理人費用の主要な算定要素でもあります。

台湾で商標を 1 区分登録するといくらかかりますか。

出願段階が 1 区分 3,000 台湾ドル(第 1〜34 類は 1 区分あたり商品 20 個まで、超過分は 1 項目 200 台湾ドル。第 35 類は特定小売役務 1 項目追加ごとに 500 台湾ドル)、登録査定後の登録料が 1 区分 2,500 台湾ドルです。商標は区分単位の課金のため、指定区分が増えるごとに官庁費用が倍増します。

電子出願でどのくらい官庁費用が下がりますか。

特許は 1 件につき 600 台湾ドル減額されます(特許 2,900、実用新案・意匠 2,400)。商標は 1 件につき 300 台湾ドル、指定商品・役務の名称が智慧財産局の参考名称と同一であれば 1 区分あたりさらに 300 台湾ドル減額されます。

年金減免の資格は何ですか。外国出願人にも適用されますか。

資格を満たす個人・学校・中小企業に限られ、かつ第 1 年から第 6 年まで——第 1〜3 年は各年 800 台湾ドル、第 4〜6 年は各年 1,200 台湾ドルの減額です。個人および台湾の学校は職権で減額されますが、外国の学校および中小企業は書面申請が必要で、申請がなければ標準年金が適用されます。

このページに貴所の代理人費用が記載されていないのはなぜですか。

代理人費用は技術分野、請求項数、明細書の分量、翻訳量、拒絶理由通知への応答回数により相当の幅があり、単一の金額を掲げても予算策定の役には立たず、誤解も招きやすいためです。本ページは事前に確定できる部分——官庁費用と費用の内訳——を完全に公開することを目的としています。代理人費用については、案件の基本情報をお知らせいただければ個別にお見積りいたします。

個別案件の見積りが必要な場合

本ページの官庁費用は公開情報であり、そのまま引用いただけます。代理人費用を含む完全な見積りが必要な場合は、以下をお知らせください。検討のうえご回答します。

以下をご提示いただくと回答が早くなります

  • 案件種別:特許・実用新案・意匠、または商標
  • 特許案件:技術分野、想定請求項数、明細書の頁数、原文の言語
  • 商標案件:商標見本、指定予定の区分と商品・役務
  • 優先権主張の有無、基礎出願の国と日付
  • 官庁期限(優先権期限など)の有無
個別見積りを依頼する

Last updated: 2026 年 9 月