加速審査の費用は1区分につきNT$6,000で、納付後は原則として返還されません。その費用が有効に使われるかどうかは、結果をどれだけ早く欲しいかよりも、出願がTIPOの加速ルートの想定に合っているかどうかで決まります。以下はTIPOの加速審査制度Q&Aに沿った整理です。
問い1:ファストトラックで足りるのではないか
ファストトラックは請求も追加の公的費用も不要です。電子出願であること、TIPOの標準の商品・役務名称をそのまま使うこと、出願時に費用を納付すること、代理人を選任する場合は20日以内に委任状を提出することを満たせば、自動的に適用されます。TIPOによれば、ファストトラック案件の最初の通知は通常案件より約1.5か月早く、現在は出願から約5か月です。
加速審査は、請求の受理から2か月以内に最初の審査通知を出すことを目標とし、受理可否は請求から10〜15営業日で判断されます。それでもTIPOは、一般の出願人にとって現行のファストトラックと加速審査の差は大きくないとし、早期登録の急ぎの必要がなければファストトラックを勧めています。また、安易に加速審査を請求して費用を無駄にしないよう注意を促しています。
問い2:台湾国内での使用または具体的な準備を示せるか
加速審査では、どちらのタイプでも使用の証拠が必要です。タイプⅠは、指定商品・役務のすべてについて商標が使用されている、または相当の準備がされている場合、タイプⅡは一部のみで、かつ認められる商業上の緊急性がある場合です。
- 海外での使用は認められません。海外で販売されていても台湾国内ではまだ販売されていない商品は対象外で、使用または準備は台湾国内であることが必要です。
- 契約は双方の署名が必要です。製造業者、販売代理店、包装・物流業者などとの契約は、双方が実際に署名している場合に限り、準備の証拠として認められます。
- 証拠は出願と対応していなければなりません。使用されている商標は出願商標と同一であること、証拠は指定商品・役務と項目ごとに対応していることが求められます。
- すべての理由が緊急性になるわけではありません。オンラインプラットフォームへの出店、医薬品の検査申請や宿泊業の営業登録、選抜プログラムへの参加、ブランド補助金の申請、従業員の募集といった理由は、通常の事業計画であり、タイプⅡの緊急性とは扱われません。すでに開催済みの展示会も対象外です。更新を忘れた登録の出し直しも緊急性にはなりません。
問い3:出願全体が要件を満たすか
複数区分の出願では、一部の区分だけを加速することはできません。全区分をまとめて請求する必要があり、費用は区分数×NT$6,000です。一部の区分だけが要件を満たす場合は、先に出願の分割または減縮が必要です。要件を満たさないために分割した場合、要件を満たす分割出願は加速審査費を再び納付する必要がありません。
同じ考え方は区分の内部にも当てはまります。タイプⅠでは、指定商品・役務のすべてが使用または相当の準備の段階にある必要があります。20項目のうち16項目が使用され4項目が未使用の場合、TIPOは先に減縮または分割を行うか、残る4項目についても準備を始めた証拠を示すことを勧めています。
費用をかける価値がある場面
待つことの損失が裏付けられる場合に、加速審査は意味を持ちやすくなります。たとえば侵害警告を受けた、第三者が無断で商標を使っている、ライセンス要請があった、または署名済みの契約に裏付けられた発売や出展が予定されているといった場合です。ブランドがこれまで海外でしか販売されていない場合、証拠がまだ草案の段階の場合、あるいは他人の先行出願を追い越すことが主な目的の場合は、正当化が難しくなります。審査の速さは出願日や有効な優先日を変えません。
三つの審査ルートの完全な比較と、要件・公的費用については、「台湾商標の審査ルート」ガイドをご覧ください。 台湾商標の審査:通常・ファストトラック・加速審査
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