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台湾の現地代理人の選び方日本の特許事務所のためのチェックリスト

台湾の知財事務所の自己紹介はどこも似通っており、ウェブサイトの説明だけでは違いが分かりません。実際に差が出るのは、「誰が案件を担当するのか」「明細書そのものを日本語で検討できるか」「中国語の請求項を誰が作成し、誰がチェックするのか」「期限管理を誰が担うのか」の4点です。本稿では、判断基準10項目とそれぞれの確認方法、最初の問い合わせで聞くべき質問、注意すべきサインを整理します。

対象となる方

  • 日本の特許事務所の外国出願担当者・弁理士
  • 台湾の現地代理人を新たに選定する事務所
  • 現在の台湾の代理人を見直したい事務所

ポイント

  • 事務所の自己紹介ではなく、実際の仕事の進め方で比較する。
  • 実際の担当者と、その専門技術分野を確認する。
  • 報告だけでなく、明細書そのものを日本語で検討できるかを確認する。
  • まず1件で試し、回答の速さ・報告の質・請求の正確さ・期限管理を確かめる。

台湾の現地代理人に必要な資格とは

台湾に住所または営業所を持たない外国出願人は現地代理人を選任する必要があります(商標法第6条、専利法第11条)。

担当者の資格を確認してください。特許は台湾弁理士(專利師)、商標は登録済みの商標代理人です。

実務上確認すべきなのは、出願書類に名前が載る人だけでなく、実際に案件を処理する人の資格です。

台湾の現地代理人を選ぶ際の判断基準10項目

最終列の「確認方法」は、一般的な比較記事ではあまり触れられない部分です。依頼前にどう確かめるかを具体的に示しています。

確認することなぜ重要か確認方法
1. 実際に案件を担当するのは誰か台湾の登録弁理士(専利師)や商標代理人が実質的な判断まで担うのか、資格のないスタッフが作成したものに署名するだけなのかで、依頼の中身は大きく変わります。責任パートナーだけでなく、実際の担当者の氏名と資格を尋ねる。
2. 技術分野の適合性(特許)請求項の補正は技術的な判断で決まります。分野外の担当者だと、中身ではなく文言だけの補正になりがちです。担当者の専門技術分野と、その分野の匿名化した対応例を1〜2件尋ねる。
3. 明細書そのものを日本語で検討できるか日本語での報告に対応する事務所は少なくありません。しかし、明細書を日本語のまま読み、内容について日本語で議論できる事務所は限られます。「中国語訳の前に、日本語の明細書についてコメントをもらえますか」と直接聞く。
4. 中国語の請求項を誰が作成し、誰がチェックするか権利範囲を画定するのは繁体字中国語の請求項です。外注や機械翻訳を有資格者が検証しないまま用いるのは、コスト削減ではなく権利範囲のリスクです。翻訳が所内か外注か、出願前に請求項を誰がチェックするかを尋ねる。
5. コンフリクトチェックの所要時間依頼者への回答前に、利益相反の確認が必要な場面は少なくありません。「できるだけ早く」ではなく、営業日数での約束を求める。
6. 期限管理を誰が担うか台湾側が貴所からのリマインドに全面的に頼っていると、指示の漏れがそのまま期限徒過につながります。台湾側でも独自に期限を管理し、こちらから聞く前にリマインドを送るかを確認する。
7. 拒絶理由通知の報告内容審査官の見解を転送するだけの報告では、分析の負担が貴所に戻ってきます。依頼前に、匿名化した拒絶理由通知の報告サンプルを見せてもらう。
8. 費用の透明性台湾出願の費用は、性質の異なる二つの部分から成ります。一つは台湾智慧財産局(TIPO)が公告する官庁費用で、金額は固定、出願人を問わず同一です。もう一つは現地代理人の手数料で、各事務所が独自に定め、案件ごとに見積られます。両者が混ざった見積りでは、何に費用を払っているのかが見えません。出願前に、官費と代理人費用を分けた見積りを出してもらう。
9. 守秘とデータの扱い未公開の明細書は機密情報です。どこに保管されるのか、外部の機械翻訳サービスに送られるのかは、機密情報の取り扱いに関わる問題です。出願前の明細書の保管場所と、外部の翻訳サービスを使うかどうかを確認する。
10. 規模の相性大手事務所は多くの分野をカバーできる厚みがあり、中堅事務所は実務担当者と直接やり取りしやすい傾向があります。一概にどちらが優れているとは言えません。日常の窓口が誰になるか、その方が何件程度を担当しているかを尋ねる。

台湾と中国を1つの代理人に任せるべきか

同じファミリーで台湾と中国の両方に出願する可能性がある場合は、1つの代理人で両方に対応できるかも確認しておくとよいでしょう。窓口が1つであれば、説明を二度する必要がなく、両国での請求項の方針もそろえやすくなります。

日本の特許事務所が特に確認したいポイント

英語圏の事務所と比べ、日本の事務所が台湾の代理人を選ぶ際には、次の点が実務上の差になりやすいです。

  • 明細書を日本語のまま読めるか。中国語訳を待たずに技術内容を議論できれば、出願前の確認がそれだけ早く進みます。
  • 中間処理の報告が日本語で、応答案まで付くか。拒絶理由通知の要約だけでなく、どう応答すべきかの提案まで日本語で受け取れるかを確認しましょう。
  • 連絡の取りやすさ。台湾と日本の時差は1時間で、両国の営業時間はほぼ重なります。メールへの返信の目安を事前に聞いておくと安心です。
  • 中国も一括で依頼できるか。台湾と中国を同じ窓口に任せられれば、案件管理の手間が減ります。

最初の問い合わせで聞くべき8つの質問

以下はそのままメールに使える形にしています。

  • 本件を実際に担当する有資格者はどなたで、技術的なバックグラウンドは何ですか。
  • 中国語に翻訳する前に、日本語の明細書を読んでコメントいただけますか。
  • 中国語翻訳は所内で行っていますか。出願前に請求項をチェックするのはどなたですか。
  • コンフリクトチェックは何営業日でご回答いただけますか。
  • 貴所でも独自に期限を管理し、こちらから問い合わせる前にリマインドをいただけますか。
  • 拒絶理由通知の報告書のサンプル(匿名化したもの)を拝見できますか。
  • 出願前に、官費と代理人費用を分けたお見積りをいただけますか。
  • 未公開の明細書はどこに保管されますか。外部の機械翻訳サービスは使用していますか。

回答の質そのものが判断材料になる

8つの質問すべてに具体的に、書面で、約束した期間内に答えてくれる事務所であれば、実際の案件も同じように進めてくれる可能性が高いでしょう。

新しい代理人はまず1件から試す

いきなりポートフォリオ全体を移すのではなく、商標出願1件、または新規の特許出願1件から始めることをおすすめします。最初の6か月で、次の4点を確認してください。

  • 回答の速さ:約束した期間内に返信があったか。
  • 報告の質:拒絶理由通知の報告に明確な提案が付いていたか。
  • 請求の正確さ:最終請求額が見積りと一致していたか。
  • 期限管理:こちらから聞く前にリマインドが届いたか。

依頼を広げるか、見直すか

4点とも満たしていれば、依頼の範囲を広げてよいでしょう。どれかが一度欠けた場合は率直に伝え、それでも繰り返すようであれば、偶然ではなく体制の問題である可能性が高いと考えられます。

注意すべきサイン

  • 担当者の名前が出てこない:責任者は紹介されても、実際に誰が処理するのかが分からない。
  • 見積りが総額だけ:官費と代理人費用が分かれていない、または出願後にならないと見積りが出ない。
  • 拒絶理由通知の報告に提案がない:審査官の見解の要約だけで、どう対応すべきかが書かれていない。
  • 明細書はすべて翻訳待ち:中国語訳ができるまで、技術内容について誰も話ができない。
  • 期限管理がすべてこちら任せ:指示があったときだけ動き、独自のリマインドが一度も来ない。
  • 回答期限の約束がない:「迅速に対応します」とは言うが、日数で示されない。

WISECODE(知典)の場合

ここからは当所自身についての説明です。上記のチェックリストは、当所を含むどの台湾の代理人にも当てはまります。

  • 担当者:特許案件は氏名を明示した台湾弁理士(專利師)が、商標案件は氏名を明示した登録済みの商標代理人が、それぞれ責任を持って担当します。
  • 言語:当所は日本語または英語の明細書を原文のまま読み、同じ言語でコメントを返します。中国語訳を待たずに当所の見解をお伝えできます。報告も日本語または英語で行います。日本語の案件は Japan Desk が窓口を担います。
  • コンフリクトチェック:2営業日以内に回答します。
  • 費用:定額費用、出願前に提示。
  • 翻訳ツール:現在、翻訳は人手で行っており、機械翻訳は使用していません。
  • 中国:台湾と中国を1つの窓口で対応します。長年協働する中国パートナーを通じて、中国の商標・特許出願および中国特許 FTO に対応します。
  • 実績:2016年以来、90以上の法域で5,500件以上の知財案件を取り扱ってきました。

関連リンク

よくある質問

日本の特許事務所は、台湾の現地代理人をどのように選べばよいですか?

事務所の自己紹介ではなく、実務上の4点で比較するのが確実です。担当者とその資格、明細書を日本語のまま検討できるか、中国語の請求項を誰が作成・チェックするか、台湾側が期限管理を担うか、の4点です。そのうえで1件の試験的な依頼を通じて、回答の速さ、報告の質、請求の正確さを確かめます。

外国出願人が台湾で出願する場合、現地代理人は必要ですか?

はい。台湾に住所または営業所を持たない外国出願人は現地代理人を選任する必要があります(商標法第6条、専利法第11条)。

日本語で明細書のやり取りができる台湾の特許事務所はありますか?

事務所によって対応の範囲が異なります。日本語での報告には対応していても、技術内容の検討は中国語訳の後になる事務所も少なくありません。「翻訳前に日本語の明細書についてコメントをもらえるか」を具体的に確認することをおすすめします。

台湾の現地代理人の費用はどのような構成ですか?

台湾出願の費用は、性質の異なる二つの部分から成ります。一つは台湾智慧財産局(TIPO)が公告する官庁費用で、金額は固定、出願人を問わず同一です。もう一つは現地代理人の手数料で、各事務所が独自に定め、案件ごとに見積られます。代理人費用は主に請求項数、明細書の分量、翻訳の文字数によって変わります。

コンフリクトチェックにはどのくらいかかりますか?

所要時間は事務所によって異なります。候補の事務所それぞれに営業日数での約束を尋ね、比較してください。具体的な日数を示さない事務所であれば、その姿勢自体も判断材料になります。

案件のご送付またはお見積りのご依頼

案件の詳細をお知らせいただければ、コンフリクトチェックを実施し、定額費用の見積りを回答します。通常 2 営業日以内です。

ご記載いただけると助かる事項:

  • 案件種別(商標、特許、FTO、紛争)
  • 出願元の法域、および優先日や期限
  • コンフリクトチェックのための出願人およびクライアント情報
  • ご希望の報告フォーマット
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Last updated: 2026年10月